vol.96
今、飲酒問題について考えよう
はじめに
年末年始は、飲酒について考えるよいチャンスです。良好なものと、有害な飲酒について考えて上手に
アルコールとつきあって下さい。
アルコールは依存性のある薬物であり、ヘロイン、コカイン等の薬物の中で有害性は最大といわれます。
アルコール依存と依存症について
やめようと思いながら簡単にやめられない状態が依存です。アルコール依存症とは習慣化した飲酒行動
が周囲の人に異常とみなされ、精神と身体の依存がみられるものを指します。
身体依存:発汗、イライラ、不眠、振戦、感冒症状、不安、幻視、幻聴
精神依存:のむまいと思いつつ、ついのんでしまう・つぶれるまでのんでしまう(コントロール喪失)、身体、
家庭、職場に支障が出るがのみ続ける、連続飲酒発作、連続飲酒発作とのめない時期のくり
かえし(山型飲酒)
わが国のアルコール関連問題の現状(2008年厚生労働省研究班)
多量飲酒者(1日平均純アルコール60g以上)765万人、何らかのアルコール関連問題を有する人654万人、
アルコール依存症と予備軍440万人、治療が必要なアルコール依存症者80万人、飲酒の強要・暴言暴力
・セクハラ等アルコール関連問題行動の被害者3040万人となっています。
アルコール依存症の受診患者数は4.3万人であり、治療が必要なアルコール依存症者の約5.4%です。
アルコール問題対策
我が国のアルコール使用による社会的費用は6兆6375億円(1987年)で、これはGDPの1.9%に相当
します。アルコール依存症とともにアルコール乱用、有害使用、急性中毒も薬物有害使用であり、対策が必要
です。2010年5月WHOはこれらアルコール有害使用低減のための世界戦略の決議をしました。
アルコール問題は予防、早期発見、介入を行うことで低減できると考えられています。
アルコール依存症の治療
現在までに直接有効な薬品や指導法はないようです。治療は禁酒の状態で、集団で支持、援助するグループ
活動で行います。自助グループ※(AA、断酒会)によってそれが発展していきます。治療の入口は専門治療
を介したものとそうでないものがあります。詳細については関係機関にお訊ね下さい。
上手にアルコールとつきあう人の為に
生活のレパートリーの一つとしての飲酒が良いようです。その場合、アルコールの量の制限と食べたり話し
ながら楽しめる雰囲気の中であれば理想的です。そして週2日の休肝日をおすすめします。
※県内の自助グループはおよそ50グループあります。
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今回は、宇部市 高嶺病院 院長の橋本 隆先生より寄稿していただきました。
ありがとうございました。
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