• ホーム
  • メールはこちら
  • 文字サイズ小中大

健康作りに関する意識調査

TOP > 健康関連情報 > 調査研究 > 健康作りに関する意識調査

健康づくりに関する意識調査

A..調査の概要
B. 調査回答者の属性
C. 調査の結果
D. ま と め

A.調査の概要

1 調査の目的
健康づくりに関する県民の意識等を把握し、県民のニーズに対応した健康づくり施策を展開するための基礎資料に資する。

2 調査実施機関
山口県健康づくりセンター

3 調査の協力
山口県内56市町村

4 調査の対象及び方法
山口県内に居住する満20歳以上の4,000人を、県下56市町村に人口比例配分し、市町村別に無作為抽出法により対象者を選定し、山口県健康づくりセンターから調査票を郵送して実施した。

5 調査の内容
(1)回答者の属性
(2)健康に関する意識
(3)健康づくりの実態
(4)行政への要望

6 調査実施期間
平成10年2月25日~平成10年3月25日

7 調査票の回収
調査票の回収数は1,535、回収率は、38.4%となった。

B.調査回答者の属性

1 回答者の属性

(1)性・年齢
調査対象者4,000人のうち回答者数は1,535人(38.4%)である。回答者の構成割合を性別でみると、男性662人(43.1%)、女性873人(56.9%)であった。

年齢別構成では、60代が一番多く23.7%、次いで70代以上(20.3%)、40代(18.6%)、50代(17.7%)、30代(12.4%)、20代(7.2%)となっており、平成7年国勢調査による山口県の人口構成と比較すると、20代がやや少ないほかは、各年代とも多くなっている。

(2)職業
回答者の職業は、常用労働者が一番多く、次いで無職・その他、専業主婦が多くなっている。年齢別にみると、農林漁業及び無職・その他では高年齢層が多い。

C.調査の結果

1 健康状態
個々人が自分をどの程度健康と感じているかという自己評価をしてもらうと、全体として「非常に健康だと思う」(4.7%)ないし「健康な方だと思う」(65.3%)と回答した人が70.0%に達する。

性・年齢別では、男女とも加齢とともに「健康ではない」「あまり健康ではない」と不健康感を持つ人の割合が増加する傾向が見られる。

2 健康に対する不安
健康に対して抱いている不安としては、「体力が衰えてきた」ことをあげる人が47.0%と最も多い。以下「ストレスがたまる・精神的に疲れる」(27.2%)、「肥満が気になる」(22.0%)、「歯が気になる」(20.8%)と続く。

性・年齢別にみると、男女とも「体力が衰えてきた」、「ストレスがたまる・精神的に疲れる」の割合がそれぞれ高い。

また、男性では「体力が衰えてきた」とする割合が全年代で高く、「ストレスがたまる・精神的に疲れる」に関しては20代~40代の若・中年層ほど不安を持つ割合が高い。女性では「ストレスがたまる・精神的に疲れる」に関して、若年層ほど不安を持つ割合が高い。

3 健康行動の具体的なきっかけ
健康行動を行うようになった具体的なきっかけとしては、「自分が病気をしたので」をあげる人の割合が26.9%と最も高い。以下、「新聞・テレビ・雑誌などの健康記事や番組を見て」(20.8%)、「家族や友人が病気をしたので」(16.0%)と続く。

性・年齢別に見ると、男性では「自分が病気をしたので」をあげる割合が一番高いが、女性では「新聞・テレビ・雑誌などの健康記事や番組を見て」「自分が病気をしたので」がほぼ同じ割合であった。

また、男性では40代から、女性では30代から加齢とともに「自分が病気をしたので」をあげる割合が高まる傾向がみられる。その他、男性は「健康には特に気をつけていないのでわからない」をあげる割合が女性の約2倍と高い。

4 食生活に関する不安・要望
食生活に関して抱いている不安としては、「食品の安全性が気になる」をあげる人が62.7%と最も多い。以下、「今の食生活では生活習慣病になるのでは」(30.7%)、「食品に関する情報が多すぎる」(29.0%)と続く。

また、食生活に関する要望としては、「的確な栄養や食品の知識を得たい」をあげる人が約4割あった。

性・年齢別にみると、男性では20代を除く全年代で、女性は全年代で「食品の安全性が気になる」といった不安を一番多くあげている。その他、男女とも若・中年齢層に「忙しくて食事がおろそかになる」「今の食生活では生活習慣病になるのでは」という不安をあげる割合が高い。

5 運動をする(したい)上で必要なもの
運動をする(したい)上で必要なものとしては、「時間(余暇)」(41.6%)をあげる人が一番多く、次いで「場所(施設)」(34.1%)、「仲間」(32.6%)と続く。

性・年齢別にみると、男女とも「時間(余暇)」をあげる人が一番多く、次いで男性では、ほぼ同率で「場所(施設)」であるのに対し、女性では「仲間」を多くあげている。

また、男女とも若年層ほど「時間(余暇)」「場所(施設)」をあげる人が多くなる傾向にある。その他、女性で「仲間」をあげる割合が高いのは20代・30代である。

6 ストレスの有無
この1ヶ月間に不安・悩み・ストレスを感じたことがあったかどうかについては「多少あった」とする人が41.5%、「大いにあった」とする人が21.4%と約6割の人がストレス等を感じている。

性・年齢別にみると、男性では40代、20代の順で、女性では20代、40代の順で日頃ストレスを感じる割合が高く中でも男性40代、女性20代で「大いにある」とする割合が約3割みられた。

逆にストレスをあまり感じないのは、男女とも60代・70代以上の高年齢層である。

7 望まれるストレス対策
心の健康づくりやストレス対策として望むことは、「健康やストレスに関する正しい情報」(39.5%)、「スポーツ・レクリエーション施設」(36.8%)、「市町村・保健所・医療機関などのストレスを気軽に相談できる場所」(21.4%)などが多くあげられている。

性・年齢別にみると、男女とも年代が高くなるほど「市町村・保健所・医療機関などのストレスを気軽に相談できる場所」をあげる人が多くなる傾向にあり、「スポーツ・レクリエーション施設」をあげる人は、その反対の傾向にある。その他、「電話相談や自宅を訪ねてきて相談に乗ってくれる人」を望む人は、男性では60代以上、女性では20代と70代以上の年代層に多かった。

8 飲酒実態
全体では、現在飲酒している人と飲酒していない人の割合は半々であった。現在飲酒している745人(全体の48.5%)の今後の飲酒に対する考え方としては、「現在の量が適量なので、このままで良いと思っている」が60.4%、「お酒をやめようとは思わない」が11.7%と、約7割以上の人が飲酒習慣を肯定的にとらえている。

性・年齢別にみると、男女とも「現在の量が適量なので、このままで良いと思っている」をあげる人が約6割と高い。

また、飲酒者の多い男性で「お酒をやめようとは思わない」、「量を減らそうと思っている」とする割合が女性に比べ高い。その他、「量を減らそうと思っている」とする割合が高いのは男性の40代・50代で、「やめたいと思っているが、なかなかやめられない」とする割合が高いのは男性の50代である。

9 健康づくりに関して知りたいこと
健康づくりに関して知りたいことの上位3つは、「食事・栄養について」(47.7%)、「運動について」(29.0%)、「休養・ストレスについて」(26.6%)である。

性・年齢別にみると、男女とも「食事・栄養について」を知りたい割合が高く、次いで男性は「運動について」、女性は「休養・ストレスについて」を知りたい割合が高い。

また、「休養・ストレスについて」を知りたいとする割合が他の年代層に比べて一番高いのは男性40代、女性20代である。その他、「タバコと健康について」を知りたいとする割合が他の年代層に比べて高いのは、男性では20代・40代、女性では20代である。

10 普段接触する健康情報源
普段接触する健康に関する情報源としては、「テレビ・ラジオ」をあげる人が73.6%と最も多く、以下「新聞・週刊誌」(47.3%)、「医師」(22.7%)と続く。

性・年齢別にみると、男女とも「テレビ・ラジオ」から情報を得ている割合が高い。

一方、「市町村・保健所」といった公的機関から情報を得ている割合が高いのは女性の方で、70代以上を除いて加齢とともに高くなる傾向にある。

11 健康づくりに関する要望
健康づくりに関して要望するものとしては、「運動・レクリエーション施設等の整備」(34.3%)をあげる人が一番多く、次いで「生活習慣病の予防知識の普及」(28.9%)、「健診内容の充実や、休日健診の実施」(23.7%)、「食事・栄養についての教室の開催」(22.0%)、「ストレスなど心の健康に関する教室の開催」(20.1%)と続く。

性・年齢別にみると、上位2つは男女とも「運動・レクリエーション施設等の整備」、「生活習慣病の予防知識の普及」で、次いで男性では「健診内容の充実や、休日健診の実施」に対し、女性では「食事・栄養についての教室の開催」をあげる割合が高い。

また、男女とも年代が高くなるほど「健康づくりについて身近に相談できる窓口の拡充」をあげる人が多くなる傾向にあり、「運動・レクリエーション施設等の整備」をあげる人は、その反対の傾向にある。

12 健康づくりに関する一般県民の意見
健康づくりに関する意見を自由に記入してもらったところ、約3割の430人から意見が寄せられたが、大別すると健康づくりに関する要望と、「自分の健康は自分で守る」、「栄養・運動・休養のバランスをとる」、「趣味を持つ」、「仕事に生きがいを持つ」、「くよくよしない」等々、個々人の健康法や健康への思いなどであった。健康づくりに関する要望を多い順に要約すると以下のとおりである。

(1)運動に関すること

運動・レクリエーション施設の整備を望む意見が多かったのはもちろんであるが、施設の開館日・開館時間等の拡充といった、利用しやすい施設の開放を望む意見も多かった。

また、一方で、箱ものではなく、1km以内に安心して歩ける散歩道(遊歩道)の整備を望む意見も多かった。

その他、指導者の養成、充実を望む声もあった。

(2)ストレスに関すること

・気軽に利用できるカウンセリング施設の整備
・身近なところで心安らぐ場(保養施設等)があると良い
・話し相手が欲しい
・身体面のみではなく、今後は精神面の健康づくりに重点を置いて欲しい

(3)栄養に関すること

バランスのとれた食生活等の基礎的なものから、最近の健康食品の効能、遺伝子組み替え食品の安全性といった新たな時代に対応した健康教育・そうだ案、情報の提供を望む意見が多かった。

(4)医療・健(検)診に関すること

医療施設の整備(近くに安心できる総合病院等)、公的病院の休日開業、休日健(検)診の拡充及び医療費の軽減を望む意見が多かった。

また、健(検)診結果の説明や、結果に基づく事後指導を口頭や文章で十分説明して欲しいといった、事後指導の充実を望む声も多かった。

(5)情報に関すること

・情報過多の現在、正しい情報を正確に伝える方法と場所を多く県内に拡げていって欲しい
・年に何回か健康づくり関係のパンフレット等の全戸配布
・各年代別の情報が欲しい
・カタカナ英語が文章に多く、意味が解りにくいので、もう少し解りやすい文章を考えて欲しい

(6)たばこに関すること

・分煙対策をもっと進めて欲しい

(7)環境に関すること

・ダイオキシンを含む環境問題にも力を入れて欲しい

D.まとめ

 今回の健康づくりに関する意識調査は、今後の健康づくり事業を推進するための基礎資料を得ることを目的に実施した。その結果、これからの健康づくりに関するいくつかの課題が明らかになった。ここでは、そのうちから考察も一部加えて述べることにする。

自分の健康状態について自己評価してもらうと、約70%の人が健康であると感じているが、一方で健康に何らかの不安を抱いている人は94%にのぼる。

健康不安のベスト3は、「体力が衰えてきた」、「ストレスがたまる・精神的に疲れる」、「肥満が気になる」である。
また、男女とも、「ストレスがたまる・精神的に疲れる」に関して、若年層ほど不安を持つ割合が高い傾向にある。

   

健康行動を行うようになった具体的なきっかけとして、「自分が病気をしたので」をあげる人が一番多いが、次いで「新聞・テレビ・雑誌などの健康記事や番組を見て」をあげる人が多いことが注目される。県民が身近な情報から健康行動をを起こしているわけで、健康情報が氾濫する今日、科学的な裏付けをもとに、より安全で効果的で、より簡単に取り組める健康づくりのための各種情報を身近に提供することが望まれる。

   

食生活に関する不安のベスト3は、「食品の安全性が気になる」、「今の食生活では生活習慣病になるのでは」、「食品に関する情報が多すぎる」である。科学的に裏付けされた質の高い情報や、健康教育・相談が求められているといえよう。

   

運動する(したい)上で必要なものベスト3は、「時間(余暇)」、「場所(施設)」、「仲間」である。男女とも若中年齢層に「時間(余暇)」をあげる人が多く、運動をしよう(したい)という思いはあるものの、実際には若中年齢層ほど仕事ほか何らかの障害が示唆される。労働時間の短縮等の対策もあるが、一方で利用者にとって運動しやすい環境の整備といった観点から対策を考えることが望ましい。

   
県民の約6割が何らかのストレスを感じている。

ストレス解消のために必要なものベスト3は、「健康やストレスに関する正しい情報」、「スポーツ・レクリエーション施設」、「市町村・保健所・医療機関などの、ストレスを気軽に相談できる場所」といったことから、情報の提供、相談窓口の拡充及び充実が望まれる。
   

現在、飲酒している人は、全体の約5割の人で、その内の7割以上が飲酒習慣を肯定的にとらえているが、一方で、男性の40代・50代で「量を減らそうと思っている」とする割合が、他の年齢層に比べ高かった。

   

健康づくりに関して知りたいことベスト3は、「食事・栄養について」、「運動について」、「休養・ストレスについて」である。

男女とも「食事・栄養について」を知りたい割合が高く、次いで男性は「運動について」、女性は「休養・ストレスについて」を知りたい割合が高い。また、「休養・ストレスについて」を知りたいとする割合が、他の年代層に比べて一番高かったのは、男性40代、女性20代である。

   

普段接触する健康情報源のベスト3は、「テレビ・ラジオ」、「新聞・週刊誌」、「医師」である。マスメディアの占める割合が高く、健康づくり運動の普及啓蒙や健康情報の提供についてマスメディアの果たす役割の大きいことが伺える。

マスコミ情報が圧倒的である反面、実際には「医師」、「市町村・保健所」等様々な場面で健康情報に触れる機会があるという結果からみて、様々な角度から個人が必要とする情報提供について、関係l機関が一体となって取り組んでいくことが望まれる。

   

健康づくりに関して要望するものベスト3は、「運動・レクリエーション施設等の整備」、「健康づくりについて身近に相談できる窓口の拡充」、「ストレスなど心の健康に関する教室の開催」である。